※この記事は MarketChameleon 非公式の日本語教育ガイドです。MarketChameleon 社が発行・推奨・スポンサーしているものではありません。掲載しているスクリーンショットは操作説明の目的でのみ使用しています。
「IVって数字は見るけど、結局どう使えばいいの?」——MarketChameleonを開いたはいいものの、画面の多さに圧倒されて結局何も判断できなかった、という経験がある方は少なくないと思います。
この記事では、MarketChameleonの「IV関連スクリーナー」と「オプションフロー系レポート」を取り上げます。具体的には、IV Rank Screener・Unusual Options Activity・IV Movers・Option Volumes・Options Broad Viewの5画面を整理します。これらはどれも「市場が今何を織り込もうとしているか」を把握するための画面です。
ただ画面の項目を説明するだけでなく、「いつ開いて、何を見て、どう判断の材料にするか」という流れを中心に書いています。この記事を読んだ後、自分でも同じ手順を試せる状態になることを目標にしています。
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この記事でわかること
- IV Rank Screenerで「IVが異常に高い・低い銘柄」を絞り込む方法
- Unusual Options Activityで「異常な出来高が出ている銘柄」の見方
- IV Moversで「IVが大きく動いている限月」の確認手順
- Option Volumesで「90日平均と比較した出来高スパイク」の読み方
- Options Broad Viewで「市場全体のIV感」をつかむ使い方
- 5画面を組み合わせた実践的な確認フロー
ご注意
本記事はMarketChameleonの使い方を解説する目的で作成しています。特定の銘柄への投資・オプション取引を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。
5画面の全体像と位置づけ
まず、この記事で扱う5つの画面が「何のため」にあるかを整理します。これを把握してから個別の見方に入ると、各数値の意味が格段につかみやすくなります。
| 画面名 | 一言で言うと | 主な用途 |
|---|---|---|
| IV Rank Screener | IVの高低を1年スパンで比較 | IV売りや買いの候補探し |
| Unusual Options Activity | 出来高が突然跳ね上がった銘柄 | 大口の動向・市場センチメントの把握 |
| IV Movers | IVが急変した限月の一覧 | 特定限月のIV変化の把握 |
| Option Volumes | 90日平均比の出来高スパイク | 市場が注目し始めた銘柄の発見 |
| Options Broad View | 市場全体のIV感とセクター動向 | デイリーの相場観形成 |
① IV Rank Screener(IVランク・スクリーナー)
MarketChameleonのメニューから「Options → Screeners → IV Rankings」でアクセスできる画面です。現在のIV(インプライド・ボラティリティ)が、過去1年間の中でどの位置にいるかを「IV Percentile Rank(IV%ランク)」として一覧表示します。

IV30 % Rankとは何か
「IV30 % Rank」は、現在の30日IVが過去52週のIV範囲のどこに位置しているかを0〜100%で表した数値です。たとえば100%であれば、過去1年で最もIVが高い状態、22%であれば下位22%の水準にある、と読めます。
画面では数値が赤・橙・緑などの色分けで表示されており、70%以上が「Elevated(高い)」、30%以下が「Subdued(低い)」という目安でスクリーニングボタンが用意されています。
主要カラムの読み方
- Current IV30:現在の30日インプライド・ボラティリティ(数値そのもの)
- % Chg(IV変化):前日比でのIV変化率。赤字はIVが下落、緑字はIV上昇を示します
- 20-Day Historical Vol:直近20日の実現ボラティリティ。IVとの乖離を見る基準になります
- 1-Year Historical Vol:過去1年の実現ボラティリティ。長期的なボラの水準感を把握できます
- IV30 52-Week Range:52週での最小〜最大IV。現在のIVがどのくらい「異常」かを判断する補助線になります
- Current Option Volume:その日のオプション出来高。極端に少ない銘柄はスプレッドが広い可能性があります
- Open Interest % Rank:建玉の多さが過去と比較してどの位置か
- Earnings(イベント):直近の決算日と時間帯(BMO=寄り前、AMC=引け後)
フィルターボタンの使い方
画面中央部にあるボタン群が強力なフィルターです。以下が特によく使われる組み合わせです。
- 「Upcoming Earnings」:決算が近い銘柄のみ表示。IV売り候補を探す際に使われます
- 「Elevated – IV % Rank > 70%」:IVが過去1年の上位30%以上にある銘柄だけを絞り込み
- 「Subdued – IV % Rank < 30%」:IVが歴史的に低い水準の銘柄を抽出。ロングオプション候補として見る人もいます
- 「IV Up」「IV Down」:前日比でIVが上昇・下落している銘柄だけを表示
② Unusual Options Activity(異常オプション出来高)
「Options → Unusual Activity → Unusual Options Activity」でアクセスできます。その日に「通常より大幅に多いオプション出来高」が発生している銘柄を一覧表示する画面です。
大口のポジション変更や、何らかのイベント・情報を先取りしている可能性がある動きを把握するために参照する人が多いです。あくまで「こういう動きがある」という観察材料であり、何かを確信できるものではありませんが、ウォッチリストの更新や調査の入り口として活用されています。

主要カラムの読み方
- Volume / Avg Volume:その日の出来高と90日平均出来高。差が大きいほど「異常」の度合いが高いと見られます
- Relative Volume:「今日の出来高 ÷ 90日平均」の比率。3.0以上であれば「平均の3倍の出来高」が発生していることを意味します
- Bullish / Bearish:MarketChameleonによる強弱判定。コールが優勢かプットが優勢かの目安です
- Net Delta:全オプション取引のデルタ合計。マイナス値が大きいほどヘッジやベア方向の動きが多い可能性があります
- IV % Rank:現在のIVランクを同時に確認できます。IV Rank Screenerと組み合わせて見る際に便利です
- # Days in last 12:過去12日間で何日この画面に登場したか。1〜2日なら単発の可能性、5日以上なら継続的な動きと見ることができます
「10 Day Look Back」タブ
画面上部の「10 Day Look Back」タブを選ぶと、過去10営業日のデータを日付ごとに確認できます(プレミアム機能)。カレンダー形式で「どの日に何件の異常出来高があったか」も一目で把握できるため、継続的に出来高が多い銘柄かどうかを確認する際に役立ちます。
③ Implied Volatility Movers by Option Expiration(IV変動上位・限月別)
「Options → Unusual Activity → IV Movers」でアクセスできます。その日にIVが大きく動いた銘柄を、限月(満期日)ごとに一覧表示する画面です。
この画面の特徴は、「銘柄単位」ではなく「銘柄×限月」単位でIVの変化を見られることです。同じ銘柄でも近い限月と遠い限月でIVの動き方が異なる場合があり、どの期間にマーケットが注目しているかを把握するヒントになります。

主要カラムの読み方
- ATM IV:アット・ザ・マネー(株価に最も近い行使価格)のIV。その限月のIV水準の代表値として使われます
- ATM IV % Chg:前日比でのATM IV変化率。赤字がIV低下、緑字がIV上昇を示します
- Days To Exp:満期までの残日数。残り10日以内は時間的価値の減衰(タイムディケイ)が急加速する時期です
- Implied Move:オプション価格が織り込んでいる満期までの株価変動幅(±%)。たとえば58.8%なら「満期までに±58.8%の動きを市場が想定している」と読めます
- Ratio Implied To Hist Abs Avg:過去平均的な動きに対して、現在のIVが何倍を織り込んでいるか。2.0以上であれば「過去平均の2倍のボラ」を市場が想定していることになります
- Ratio Implied To Hist Abs Max:過去最大の動きに対する比率。1.0未満であれば「過去最大より小さな動きを想定」、1.0以上であれば「過去最大を超える動きを市場が織り込んでいる」状態です
④ Unusual Daily Option Trading Spikes(オプション出来高スパイク)
「Options → Volumes」でアクセスできる画面です。その日のオプション出来高(名目金額ベース)を、90日平均と比較して一覧表示します。
Unusual Options Activityとの違いは、こちらは「出来高の絶対量と相対量の両方」を確認できる点です。また「Relative Notional(名目ベースの相対比率)」を主軸に置いているため、小型株の急増だけでなく、大型株での普段とは異なる動きも発見しやすくなっています。

主要カラムの読み方
- Total $ Notional:その日のオプション出来高の総名目金額。コントラクト数×100×プレミアムで計算されます
- 90-Day Avg $ Notional:過去90日の平均名目出来高。比較ベースとして使います
- Relative Notional to 90-Day Avg:「今日の名目出来高 ÷ 90日平均名目出来高」。赤字で表示されている値(例:2.46、3.40)は平均の2〜3倍以上の動きがあったことを示します
- Call $/Put $ Notional:コールとプットそれぞれの名目出来高。コール偏重かプット偏重かで市場センチメントの方向感を読む参考になります
- % Single-Leg / % Multi-Leg:シングルレッグ(コール単体・プット単体)かマルチレッグ(スプレッドなど)かの比率。ヘッジ目的のポジションが多いかどうかの一つの参考になります
- % Contingent:株式と同時に実行されたオプション取引(カバード・コールなど)の比率
「High Call or Put Volume」タブ
タブを切り替えることで「全体の出来高に対してコール比率が極端に高い(または低い)銘柄」だけを表示できます。コール偏重の銘柄に絞り込んで、何らかの上昇期待のある銘柄を探すといった使い方ができます。
⑤ Options Broad View(市場全体の俯瞰ビュー)
「Options → Broad View」でアクセスできるダッシュボード画面です。個別銘柄のスクリーナーとは異なり、市場全体のIV感とセクター動向を一画面で把握することを目的としています。相場全体の雰囲気をつかむ「朝一番に確認する画面」として使う人が多いです。

「1 Day Actual Change vs 1 Day Expected Range」チャート
画面上部の棒グラフ(エラーバー形式)は、各銘柄の「オプションが想定していた1日の変動幅(縦棒)」と「実際の株価変動(ドット)」を並べて表示しています。ドットが縦棒の外に出ている銘柄は「想定外の動きをした銘柄」として視覚的に把握できます。セクターをページで切り替えることができ(画面右上の「9 of 12」などの表示)、セクターごとに見ていく使い方が一般的です。
「30-Day Implied Volatility」チャート(SPY/IWM/QQQ)
画面中央には、SPY・IWM・QQQの30日IVのイントラデイ推移グラフが並んでいます。赤い点線が前日の終値IVを示しており、現在のIVが前日より上に位置しているか下に位置しているかを一目で確認できます。また、各チャート下部に「44% Calls 56% Puts」のように当日のコール・プット比率が表示されており、指数ベースのセンチメントの目安になります。
「S&P 500 Summary」エリア
画面下部にはS&P 500銘柄のIVランク分布(Elevated/Moderate/Subdued)が円グラフと棒グラフで表示されています。「今日はS&P 500のうち何割の銘柄がElevated IVか」を全体感として把握するのに便利です。
実際の使い方
ここからが本記事の核心部分です。5画面を「どの順番で・何を確認するために・何を判断材料にするか」を、具体的なシーン別に整理します。
使い方①:その日の相場環境を朝に確認するフロー
米国市場の取引開始前(日本時間の夜〜深夜)や、寄り付き直後の確認として使えるフローです。
- 確認タイミング:米国市場の取引開始後30〜60分(または前日の引け後)
- ステップ①:Options Broad ViewでSPY・QQQ・IWMのIV推移を確認。前日比でIVが全体的に上昇しているなら、市場が何らかのリスクを織り込み始めているサインとして見ることができます
- ステップ②:S&P 500 SummaryのElevated銘柄比率を確認。全体の40%以上がElevatedに分類されている状態は、相場全体のオプション価格が歴史的に高い局面と言えます
- ステップ③:Unusual Options ActivityでRelative Volume 3.0以上の銘柄をチェック。その日に「何かが起きている銘柄」の候補リストとして記録します
- 目安:SPY・QQQのIVが前日比+5%以上上昇している日は、翌日の個別銘柄のIVも高止まりしやすい傾向があります(あくまで参考値)
使い方②:決算前のIV状態を確認する
保有銘柄やウォッチ銘柄に決算が近づいたとき、オプション価格が「何を織り込んでいるか」を確認する手順です。
- 確認タイミング:決算発表の3〜5営業日前
- ステップ①:IV Rank Screenerで対象銘柄を検索。IV30 % Rankが70%以上であれば、過去1年で見てIVが高い状態であることが確認できます
- ステップ②:IV Moversで対象銘柄の決算限月を確認。「Ratio Implied To Hist Abs Avg(過去平均比)」が1.5以上であれば、市場が過去平均より大きな動きを想定していると読めます
- ステップ③:Unusual Options Activityで対象銘柄のNet DeltaとBullish/Bearish判定を確認。オプションフロー全体がどちら方向に傾いているかの参考にします
- 活用のヒント:IV % Rankが90%以上かつRatio Implied To Hist Abs Maxが0.8以下の場合、「IVは高いが過去最大よりは小さな動きを想定している」という状態です。これはIV売り系のストラテジーを検討する人が確認するポイントの一つとして挙げられます
使い方③:出来高スパイクから「注目が集まっている銘柄」を発見する
特定の銘柄を先に決めるのではなく、「今日、市場参加者が急に注目し始めた銘柄」を探すアプローチです。
- 確認タイミング:米国市場の取引終了後(または翌朝)
- ステップ①:Option Volumes画面を開き、Relative Notionalを2.0以上でソート(カラムヘッダーをクリックして降順にする)
- ステップ②:Call $/Put $ Notionalの比率を確認。コールの名目出来高がプットの2倍以上の銘柄は「上昇方向への関心が高まっている可能性」として参考にします
- ステップ③:候補銘柄をUnusual Options ActivityでRelative Volumeと照合。両方の画面に登場している銘柄は「出来高スパイクの信頼性が高い」と見る人が多いです
- ステップ④:IV Rank Screenerで該当銘柄のIV % Rankを確認。IVが既に高騰している場合(80%以上)はオプション購入コストが高い状態です
- 目安:Relative Notional 2.0以上 + Call/Put比率2:1以上 + IV % Rank 50%未満という組み合わせを候補の条件として記録する使い方があります
使い方④:IVが低い銘柄を定期的にスキャンする
「今後イベントを控えているにもかかわらず、IVがまだ低い銘柄」を探す使い方です。ロングオプションを検討する際の候補探しとして活用できます。
- 確認タイミング:週1回程度(週初めや週末)
- ステップ①:IV Rank Screenerで「Subdued – IV % Rank < 30%」ボタンを押し、Upcoming Earningsも同時にフィルタリング
- ステップ②:表示された銘柄の「Current Option Volume」が4,000以上(流動性の目安)であることを確認
- ステップ③:IV Moversでその銘柄の直近限月のImplied Moveを確認。過去の平均的な決算後変動(Historical Abs Avg Move)と比較して、IVが過小評価されているかどうかを判断の参考にします
- 活用のヒント:IV % Rankが20%以下 + 2週間以内に決算予定 + 1-Year Historical Volが30以上、というフィルター組み合わせで絞り込む方法があります
💡 よくある誤解:IV Rankの「高い」=「売り」ではない
IV % Rankが高いことは「オプションが割高かもしれない」という一つの指標ですが、それだけでは判断材料として不十分です。IVが高い状態が続くイベント(訴訟・規制・M&Aなど)も存在します。IV Rankの高低はあくまで「現在地」の確認であり、IV MoverやUnusual Activityと組み合わせて「なぜIVが高いのか」を調べる入口として使うのが実践的な活用法です。
💡 無料版と有料版の違い
Unusual Options ActivityとOption Volumesは無料でもその日のデータを閲覧できます。ただし「10 Day Look Back」「過去データのダウンロード」「IV Moversの詳細フィルター」などはプレミアム機能です。まず無料の当日データで使い方を覚えてから、必要に応じてアップグレードを検討するのが効率的です。
まとめ
- IV Rank Screener:IVの「現在地」を過去1年比で確認するスクリーナー。Elevated(70%以上)・Subdued(30%以下)のフィルターとUpcoming Earningsを組み合わせて使う
- Unusual Options Activity:Relative Volume 3.0以上が一つの目安。Net DeltaとBullish/Bearish判定で方向感の参考にする
- IV Movers:「限月×銘柄」単位でIV変化を把握できる。Ratio Implied To Hist Abs Avgで「市場が過去平均の何倍を想定しているか」を確認
- Option Volumes:90日平均比のRelative Notionalで出来高スパイクを発見。Call/Put名目比率でセンチメントの方向性を参考にする
- Options Broad View:市場全体のIV感を朝一番に確認する画面。SPY/QQQ/IWMのIV推移とS&P 500 IVランク分布を見る
- 5画面は単体ではなく組み合わせて使うことで情報の精度が上がります。まずOptions Broad Viewで全体感を把握し、次にUnusual ActivityやOption Volumesで個別銘柄を絞り込み、IV Rank ScrenerとIV Moversで深掘りする、という流れが実践的です
- 次に読むとよい画面:個別銘柄のIV詳細は「Stock → Options → Volatility」ページで確認できます(後編で解説予定)
よくある質問(FAQ)
Q. IV30 % Rankが高い銘柄は、オプションを売るべきということですか。
A. IV30 % Rankは、現在のIVが過去52週の範囲のどこにあるかを示す「現在地」の指標です。数値が高いことは割高の可能性を示す材料の一つにとどまり、訴訟や規制、M&Aなど高いIVが続く要因も存在します。IV MoversやUnusual Options Activityと組み合わせ、IVが高い理由を確認してからご判断ください。
Q. 無料プランでも本記事の画面は使えますか。
A. Unusual Options ActivityとOption Volumesは、無料プランでも当日のデータを閲覧できます。一方で「10 Day Look Back」や過去データのダウンロード、IV Moversの詳細フィルターはプレミアム機能です。まず無料の当日データで操作に慣れてから、必要に応じてアップグレードをご検討ください。
まとめ
IVの「現在地」はIV Rank Screener、資金の集まりはUnusual Options ActivityとOption Volumes、限月ごとの変化はIV Moversで確認できます。まずOptions Broad Viewで全体感を把握し、個別銘柄へ絞り込む順序で使うと、各数値の意味がつながりやすくなります。
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