Market Chameleonの「Historical Vol」タブの使い方|IVが実現ボラティリティより割高な銘柄を銘柄横断で絞り込む

Market ChameleonのOption Screener by Expirationのフィルタ欄とHistorical Volタブ

※この記事は MarketChameleon 非公式の日本語教育ガイドです。MarketChameleon 社が発行・推奨・スポンサーしているものではありません。掲載しているスクリーンショットは操作説明の目的でのみ使用しています。

「このオプション、IV(インプライド・ボラティリティ)が高いから割高だと思う」。そう感じたとき、根拠になるのは実際に株価がどれだけ動いてきたか、つまり実現ボラティリティとの比較です。1銘柄ずつページを開いて確かめることもできますが、Market Chameleonの「Option Screener by Expiration」にある「Historical Vol」タブを使うと、4,000銘柄以上のすべての満期について、IVと20日・1年の実現ボラティリティの乖離を一覧で比較できます。この記事では、実データの画面で34,195件を284件まで絞り込む手順を追いかけます。

この記事でわかること

  • Option Screener by Expiration の「Historical Vol」タブの開き方
  • ATM IV・OHLC Vol 20-Day・OHLC Vol 1-Year と、その乖離率の列の読み方
  • 「出来高が十分ある銘柄で、IVが1年の実現ボラより25%以上高いもの」を絞り込む手順
  • 逆に、IVが実現ボラより割安な銘柄を探す条件の作り方
  • この結果をそのまま売買候補にしてはいけない理由

「Historical Vol」タブはどこにあるか

Market Chameleonにログインし、上部メニューの「Screeners」から「Options」を開くと(URL: marketchameleon.com/Screeners/Options)、「Option Screener by Expiration」が表示されます。4,000を超える銘柄・ETFについて、すべての満期(限月)のオプション統計を1つの表にまとめたスクリーナーです。

表の上には「Summary」「Historical Vol」「Stats」「Skew」「Security Info」「Straddle Analysis」「Open Interest」の7つのタブが並んでいます。初期表示は Summary ですが、IVと実際の値動きを比べたいときは「Historical Vol」を選びます。フィルタは共通なので、絞り込んだ状態のままタブだけを切り替えて別の角度から見ることもできます。

Market ChameleonのOption Screener by Expirationのフィルタ欄とHistorical Volタブ
Screeners → Options で開く「Option Screener by Expiration」。表の上のタブから「Historical Vol」を選ぶ

Historical Vol タブの列の読み方

Historical VolタブのATM IV・OHLC Vol 20-Day・OHLC Vol 1-Yearの列
Historical Volタブの列。ATM IVの右に20日・1年の実現ボラティリティと、その乖離率が並ぶ(Report Date 31-Jul-2026)

このタブに切り替えると、列が次のように変わります。

  • ATM IV:その満期のATM(権利行使価格が現在値に最も近い)オプションのインプライド・ボラティリティ。
  • ATM IV % Chg:前営業日からのATM IVの変化率。
  • Total Volume:その満期のオプション出来高(Volume)。流動性の目安になります。
  • OHLC Vol 20-Day:直近20営業日の実現ボラティリティ(実際に株価が動いた大きさ)。
  • OHLC Vol 1-Year:直近1年の実現ボラティリティ。
  • ATM IV vs. OHLC 20-Day:ATM IVが20日の実現ボラより何%高い(低い)か。
  • ATM IV vs. OHLC 1-Year:ATM IVが1年の実現ボラより何%高い(低い)か。

OHLC Vol とは

始値・高値・安値・終値(Open/High/Low/Close)を使って計算した実現ボラティリティのことです。終値だけを使う方法よりも、日中の値幅を拾える計算になっています。呼び名は違いますが、役割は「実際にどれだけ動いたか」を年率換算した数字で、一般にHV(ヒストリカル・ボラティリティ)と呼ばれるものと同じ位置づけです。

右端の2列がこの画面の主役です。プラスが大きいほど「市場が織り込んでいる将来の変動」が「実際に起きてきた変動」より大きい、つまりオプションが相対的に高く評価されている状態を示します。マイナスならその逆です。

絞り込む:出来高があって、IVが1年の実現ボラより25%以上高い銘柄

初期状態では34,195件(全銘柄×全満期)が並んでいるので、そのままでは読めません。実際に手を動かして条件を付けます。

  1. フィルタ欄の「Option Volume」で「Over 5,000」を選ぶ。出来高が薄い満期を落として、実際に売買が成立している対象に限定します。
  2. 「ATM IV vs OHLC 1-Yr」で「Above +25%」を選ぶ。IVが1年の実現ボラを25%以上上回っている行だけが残ります。
  3. 結果の件数を確認する(表の左上に「Showing 1 to 25 of 284 entries (filtered from 34,195 total entries)」と表示されます)。
  4. 「ATM IV % Chg」など気になる列のヘッダーをクリックして並べ替える。

この2つの条件だけで、34,195件が284件まで減りました。

Option Volume 5,000超・ATM IV vs OHLC 1-Yr +25%超で絞り込んだ結果
出来高5,000超かつIVが1年の実現ボラより25%以上高い条件で、34,195件が284件に絞り込まれた

実際に残った行を見てみます(Report Date 31-Jul-2026 時点)。

  • ZM:ATM IV 167.3 に対して20日の実現ボラ 39.8・1年 37.7。乖離は +320.1% / +343.9%。
  • TLT:ATM IV 21.4 に対して 7.8 / 9.2。乖離は +173.6% / +133.5% で、出来高は96,291と厚い。
  • PG:ATM IV 38.1 に対して 24.3 / 19.2。乖離は +56.7% / +97.9%。
  • BA:ATM IV 39.9 に対して 31.4 / 30.5。乖離は +27.0% / +31.0% と穏やか。

数字の並びを見ると、乖離率が極端に大きい行は満期が当日(31-Jul-26)に集中していることがわかります。満期直前のATM IVは、残り時間がわずかなために跳ね上がりやすく、実現ボラとの比較が成立しにくくなります。この癖を外したい場合は「Days Til Exp」で「10 or More」などを追加してください。

この一覧は「売り候補リスト」ではありません

IVが実現ボラより高いことには、たいてい理由があります。決算発表、新薬の承認、訴訟の判決といったイベントを控えていれば、これから大きく動く前提でIVが高いのは正常な状態です。過去の値動きより高いという事実だけでオプションを売ると、まさにその「これから起きること」を引き受けることになります。

イベント要因を外して見たいときは、「Earnings Date」フィルタで「After Expiration -or- No Earnings」を選ぶと、その満期までに決算をまたがない行だけに絞れます。まずはここから確認するのが安全です。

逆方向:IVが実現ボラより割安な銘柄を探す

同じフィルタは反対側にも使えます。「ATM IV vs OHLC 20-Day」や「ATM IV vs OHLC 1-Yr」には「Under -25%」のようなマイナス側の選択肢と、まとめて指定できる「Any Undervalued」「Any Overvalued」が用意されています。IVが実際の値動きに対して低く見える対象を探すときは、こちらを使います。

また、フィルタ欄の下にある「-Market Chameleon Presets-」には、この用途向けの組み合わせが最初から登録されています。「Implied Volatility Above Historical」「Implied Volatility Discounted To Historical Volatility」を選べば、条件を自分で組まなくても両方向の絞り込みを再現できます。まずはプリセットで結果を眺めてから、出来高や満期までの日数を足していくと迷いません。

絞り込みで足すと効く条件

  • Days Til Exp:満期直前の極端な数字を外す(「10 or More」など)。
  • Spot Price:低位株を外す(「Above 25」など)。
  • ATM Bid-Ask Spread:気配の広い銘柄を外す(「Under 0.10」など)。
  • Market Cap:規模で絞る。
  • Earnings Date:決算をまたぐ/またがないで分ける。

使う前に知っておくこと

  • 表示は15分遅延データです。画面下部にも「Market Data Delayed 15 Minutes」と明示されています。発注直前の数値は証券会社側の気配を確認してください。
  • 表の左上にReport Date(この記事の画面では 31-Jul-2026)が表示されます。いつ時点の集計を見ているかを必ず確認しましょう。
  • この画面が扱うのはATM(現在値に近い)オプションのIVです。権利行使価格ごとの歪みを見たいときは、同じスクリーナーの「Skew」タブや、銘柄個別のページを使います。
  • フィルタを選ぶと表が絞り込まれます。上部の「Refresh」「Download」はプレミアム会員向けの再取得・書き出し機能で、プランによって使える範囲が変わります。

よくある質問

OHLC Vol と、ふだん目にするHV(ヒストリカル・ボラティリティ)は違うものですか?

役割は同じ「実際に動いた大きさ」です。OHLC Volは始値・高値・安値・終値を使って計算する方式で、終値だけを使う計算より日中の値幅を反映します。どちらもIVと比べる基準として使えます。

乖離率が+300%を超える行は、それだけ有利ということですか?

いいえ。上で見たとおり、極端な数字は満期当日など残存期間が極端に短い行に集中します。まず「Days Til Exp」で満期までの日数を揃えてから比べてください。同じ土俵に乗せないと大小の比較になりません。

1銘柄だけを詳しく見たいときは?

表の右上にある「Search」ボックス(画面上部の全体検索とは別物です)にティッカーを入力すると、その銘柄の満期だけに絞れます。銘柄単位でIVと実現ボラの推移まで追いたい場合は、銘柄ページの「IV vs HV」を使うほうが向いています。

まとめ

「Historical Vol」タブは、IVが高いか安いかを、その銘柄自身の値動きを基準に判定して、それを銘柄横断で並べるための画面です。出来高と満期までの日数で土俵を揃え、決算の有無で理由を切り分ける。この3つを足すだけで、一覧は一気に読めるものになります。数字が出そろってからが判断の始まりで、この画面はそこまでを代わりにやってくれる道具だと考えるとちょうどよい距離感です。

Market Chameleon を試してみる

この記事の絞り込みは、実際に画面を触りながら追いかけたほうが早く身につきます。無料トライアルで同じ手順を再現してみてください。

Market Chameleon を見てみる

※この記事は投資助言ではなく、根拠ある情報提供として書いています。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。

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1銘柄だけを見る「IV vs HV」の使い方

同じスクリーナーの「Skew」タブでIVスキューを比べる

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