※この記事は MarketChameleon 非公式の日本語教育ガイドです。MarketChameleon 社が発行・推奨・スポンサーしているものではありません。掲載しているスクリーンショットは操作説明の目的でのみ使用しています。
コールを買うと決めたあと、実際にいくらで約定するかは、その瞬間の板の状態で変わります。買い手どうしが競っていれば買い気配は $1.00 → $1.05 → $1.10 と内側へ寄っていきますし、売り手どうしが競っていれば売り気配が $1.20 → $1.15 → $1.10 と下りてきます。この「気配がどちら側へ寄っているか」を、Market Chameleon はオプションのIVから逆算してラベルにしています。それが Long Call Option Screener の Option IV Lean 列で、値は Bid Lean と Ask Lean の2種類です。この記事では、2026年8月7日クローズの実データで、40,576件を4,234件まで絞る手順と、この列を「割安さ」と取り違えないための線引きを説明します。
この記事でわかること
- Option IV Lean が何を見ているのか(価格ではなくIVのずれを見ている理由)
- Long Call Option Screener でフィルタを設定する場所と手順
- Bid Lean と Ask Lean で、実際に何件まで絞れるのか(実測値)
- Lean が付いた建玉と理論的エッジの関係(=ほぼ無関係だという事実)
- 15分遅延のデータで気配の傾きを見るときの限界
本記事の数値は、すべて実際の画面から取っています。画面上部の Report Date は 7-Aug-2026、表示は15分遅延です。
Option IV Lean は何を見ているのか
この列の考え方は、Market Chameleon 共同創業者の Dmitry Pargamonik 氏が同社のウェビナーで説明しています。要点は次のとおりです。
板の気配は、参加者が競り始めると内側へ動きます。買い手が「次に来る売り注文の先頭に並びたい」と考えれば、表示している買い気配を $1.00 から $1.05、$1.10 と自分から改善します。売り手側で競争が起きれば、逆に売り気配が $1.20 から $1.15、$1.10 と下りてきます。この動きは、その建玉だけを見ていても「高いのか安いのか」が判断できません。周りのストライクと比べて初めて、ずれているかどうかが分かります。
そこで Market Chameleon は、価格ではなくIV(インプライド・ボラティリティ)で比較します。IVは権利行使価格や残存期間の違いを吸収して、オプションどうしを同じ土俵に乗せるための物差しだからです。あるコールのIVが周辺のコールのIVより外れていれば、その板は片側に寄っている、と判定できます。列が「Volatility」グループに置かれ、名前が単なる Lean ではなく Option IV Lean になっているのは、この理屈からです。
2つのラベルの意味
- Bid Lean:買い気配側に競争が出ている状態。買い手が自分から気配を上げているため、周辺と比べてIVは高めに出ます。
- Ask Lean:売り気配側に競争が出ている状態。売り手が自分から気配を下げているため、周辺と比べてIVは低めに出ます。コールを買う側から見れば、良い値段を拾える可能性がある側です。
- Both Lean:両側に競争が出ている状態。フィルタの選択肢として用意されています。
画面の開き方とフィルタの場所
上部メニューの Screeners → Long Calls を開きます(URLは /Screeners/LongCalls)。フィルタは「Strategy Parameters」タブの中にあり、Option IV Lean は左列 Bid-Ask Spread の右隣です。選択肢は -Any- / Bid Lean / Ask Lean / Both Lean / -All Lean Types- の5つ。設定したら Refresh を押すまで結果は変わりません。

まずは満期だけを絞ってみます。Expiration を Next 30 Days にして Refresh すると、この日は 40,576件 が残りました。テーブルの Volatility グループの中に Option IV Lean 列があり、ほとんどの行は空欄で、ときどき Bid Lean / Ask Lean が付いているのが分かります。

この画面で目を引くのは、取引件数が最も多い行に Lean が付いていないことです。NVDA の 10-Aug-26 満期 225 コール(市場価格 1.58/理論値 1.54/理論的エッジ −2.7%/IV 33.6)は Option Trade Count が 15,421件とこの画面で最多ですが、Lean 欄は空です。Lean は「盛り上がっている板」の印ではなく、「価格の付き方が周りとずれている板」の印だということが、この1行からも読めます。
Ask Lean で絞る:40,576件 → 4,234件
Option IV Lean を Ask Lean にして Refresh します。結果は 4,234件。母数の約10%です。

残った行の例を挙げます(いずれも 2026年8月7日クローズ基準)。
- AAPL 21-Aug-26 満期 320コール:デルタ .34/市場価格 3.25/理論値 2.15/理論的エッジ −33.8%/IV 22.7/取引件数 1,473/平均取引サイズ 12/% Obs Below Current 51%
- AAPL 14-Aug-26 満期 315コール:デルタ .45/市場価格 3.35/理論値 3.95/理論的エッジ +18.0%/IV 22.4/取引件数 2,932/平均取引サイズ 6/% Obs Below Current 41%
同じ銘柄・同じ Ask Lean でも、理論的エッジは −33.8% と +18.0% で正反対です。Lean は執行(どこで約定できそうか)の話であって、割安・割高の判定ではありません。この点は後段でもう一度触れます。
Bid Lean 側も見ておく:4,726件
同じ条件で Bid Lean に切り替えると 4,726件。Ask Lean(4,234件)とほぼ同じ規模で、両方を足しても母数の2割強にしかなりません。残りの約8割にはラベルが付かない、というのがこの列の実像です。

- NVDA 21-Aug-26 満期 215コール:デルタ .75/市場価格 11.95/理論値 14.47/理論的エッジ +21.1%/IV 34.5/1年ヒストリカル・ボラティリティ基準の理論値 12.07/取引件数 697/% Obs Below Current 12%
- NVDA 10-Aug-26 満期 230コール:デルタ .13/市場価格 0.32/理論値 0.27/理論的エッジ −16.6%/IV 34.6/取引件数 4,210/% Obs Below Current 40%
- GOOGL 14-Aug-26 満期 360コール:デルタ .37/市場価格 3.55/理論値 4.10/理論的エッジ +15.6%/IV 27.8/取引件数 1,099/% Obs Below Current 49%
買い手として見るなら、Bid Lean は「今すでに買いの競争が起きている」場所です。どうしてもその建玉が必要なら待つ判断が裏目に出ることもありますし、逆に、競争に乗らず売り手側へ回る選択肢を検討する材料にもなります。ここから先は戦略の話で、スクリーナーが答えを出す領域ではありません。
あわせて使う2つの列
Lean だけで候補を決めるのは無理があります。同じテーブルの中で相性がよいのは次の2つです。
- Option Trade Count / Avg Trade Size(Volume グループ):その日にそのオプションで何件の取引があったか、1件あたり何枚か。件数が極端に少ない行は、Lean が付いていても実際に約定できるとは限りません。より厳しく絞るなら、フィルタの「Volume & Open Interest」タブに Option Volume(
Over 1,000など)と Open Interest の絞り込みがあります。 - % Obs Below Current(IV Theo Statistics グループ):現在のオプション価格を下回っていた過去の観測の割合。上の例では 12%(過去と比べて安い側)から 71%(高い側)まで幅がありました。IVの水準そのものを見る話なので、詳しくは IVパーセンタイルランクの記事 をどうぞ。
気になる行が見つかったら、Expiration 列のリンクからその建玉のオプションチェーン(/Overview/{銘柄}/OptionChain?e=…)へ直接飛べます。周辺のストライクのIVと並べて、本当にその1本だけIVがずれているのかを自分の目で確かめる、という流れです。
Lean を「割安の印」と読まないこと
- Lean と理論的エッジは別物です。上の実測どおり、Ask Lean の中にエッジ −33.8% の行も +18.0% の行も並びます。割安さを見たいなら Theo. Edge の列を、Lean とは独立に見てください。
- Lean は方向の予想ではありません。買い気配が競っているからといって、株価が上がるという意味にはなりません。板の competitive さと、原資産の行方は別の話です。
- 表示は15分遅延です。気配の傾きは本来その瞬間の話なので、遅延データで見ている以上、これは「少し前のスナップショット」です。市場が閉じているときに見れば、直近の取引日のクローズ時点の状態が表示されます。実際の板は必ず証券会社側でご確認ください。
- 取引件数が少ない行は要注意です。1件・3件といった行にも Lean は付きます。ラベルの有無より先に、そもそも約定できる流動性があるかを見てください。
よくある質問(FAQ)
Q. Bid Lean と Ask Lean、コールを買うならどちらを探すべきですか。
A. 良い執行価格を狙うだけなら Ask Lean(売り手が競っている側)です。ただし、それは「その値段で買えるかもしれない」という話にすぎず、そのコールを買うべきかどうかとは別の判断になります。理論的エッジ・勝率・満期までの時間の減りは、これまでどおり別々に確認してください。
Q. なぜ価格ではなくIVで判定しているのですか。
A. 権利行使価格も残存期間も違うオプションを、価格のままでは比べられないからです。IVに直すことで周辺のストライクと同じ土俵に乗り、「この1本だけずれている」が検出できるようになります。
Q. Lean が付いている建玉はどのくらいありますか。
A. この日(2026年8月7日、満期30日以内)は、40,576件のうち Bid Lean が 4,726件、Ask Lean が 4,234件でした。合計しても2割強で、残りの約8割にはラベルが付いていません。日によって比率は変わります。
Q. 他の戦略のスクリーナーにも同じ列はありますか。
A. Long Call Option Screener で確認した内容をこの記事にまとめています。他のスクリーナーの画面構成はそれぞれ異なりますので、無料トライアルで実際の画面をご確認ください。
まとめ
- Option IV Lean は、そのオプションのIVが周辺のストライクと比べてどちら側へずれているかを Bid Lean / Ask Lean で示す列です
- Screeners → Long Calls の「Strategy Parameters」タブでフィルタでき、Refresh を押すと反映されます
- 2026年8月7日クローズ・満期30日以内では、40,576件のうち Ask Lean 4,234件/Bid Lean 4,726件。約8割はラベルなしです
- 取引件数が最多だった NVDA 225コール(15,421件)には Lean が付いていませんでした。Lean は賑わいの印ではありません
- Lean と理論的エッジは無関係です。同じ Ask Lean の中にエッジ −33.8% と +18.0% が並びます
- 15分遅延である以上、これは少し前のスナップショットです。発注前の板は証券会社側で確認してください
Market Chameleon を試してみる
無料トライアルで、この記事の Long Call Option Screener と Option IV Lean のフィルタを実際に触って確かめられます。
※この記事は投資助言ではなく、根拠ある情報提供として書いています。最終的な投資判断はご自身の責任でお願いします。
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